走作楽天 ~イタリア・Lavaredo(ラヴァレド) Ultra Trail編~
2016.07.20 渡邊 千春

走作楽天 ~イタリア・Lavaredo(ラヴァレド) Ultra Trail編~

走作楽天 ~イタリア・Lavaredo Ultra Trail編~


 2016年6月、3週間弱の夏休みをいただいて北イタリアのCortina d'Ampezzo(コルティーナ・ダンペッツォ)という街をスタート・ゴールに行われるLavaredo(ラヴァレド) Ultra Trail(119㎞、5850m+)というレースに参加してきました。2009年から始めた年1度の海外遠征も今回で8回目です。
 実は、イタリアはUTMB参加の際にCourmayeur(クールマイユール)という街を一瞬通過したことがあるぐらいで、訪ねたことの無い国でした。Milanへの直行便を取ることが出来たので、まずはMilanで友人(Field Reportにも良く登場するVincent)に落ち合い、最初の宿泊地Como(コモ)を目指します。Como(コモ)は、Milanの国際空港から30㎞位北にあるイタリアの湖水地方の中心地です。Milanまでの直通の電車も通っているので、Milan観光と付近の山での軽い身体ならしに最適な場所です。

 今やネット上でヨーロッパ各地の様々なトレイルの情報が簡単に手に入るので、到着翌日にはSaint Giovanni(サン・ジョヴァンニ)という小さな湖畔の町を起点に往復約25㎞のMonte San Primo(モンテ・サン・プリーモ)(1682m)までのピストン山行です。見かけどおりの急勾配の登山道を上りきると、標高1200mを超えたあたりから急に景観が開けて平らなトレイルが伸びています。スタート地点の湖沿いが海抜200mぐらいなので、標高1200mでもそこそこ高度を感じます。山頂直下は200mぐらいの急登でしたが山頂からの景観も素晴らしく、北イタリアツアーの幸先良し!雪が多いせいか高山植物が斜面一面に咲いていて、何故か頭の中にエーデルワイスの歌が響きだしました。晴天で天気も最高、ハイカーとの会話も弾み往復4時間の山行を楽しみました。これで時差ボケも解消です!この日は日曜だったせいもあり、Saint Giovanniのこぎれいなリストランテに入ろうとしたら、皆教会帰りなのか割とちゃんとした服装の家族ばかりでした。しかし、私はOutdoorReserchの襟付きショートスリーブ(http://www.aandfstore.com/store/commodity/0/19841198/ )着用ですからなんら問題なし、リストランテの従業員にはTシャツでも問題ないよといわれたVincentですが、彼は若干周りを気にしながらのお食事になりました。

Milanを皮切りに、北イタリアの主要な観光地をその後レンタカーでまわりました。世界遺産が51か所と世界最多で、かつ自然と文化豊かなイタリアですから、観光地はどこも歴史溢れる都市と自然が良い感じでミックスされてます。街にはドゥオーモと呼ばれる大聖堂があり、らせん階段トレーニングには事欠きません。地中海に面したCinque Terre (チンクエ・テッレ)というリアス式の海岸沿いの5か所程の小さな集落をつないだトレイルにも行ってみました。これも世界遺産の一つです。約10㎞アップダウンの激しいトレイルでしたが、私は何故か昔トレイルランを始めた香港のトレイル(ドラゴンバック、http://aandf.co.jp/fieldreport/fieldreport_2013_10_watanabechiharu_sousakurakuten1 で紹介)、昨年ターザンの取材で何度か足を運んだ三陸の海沿いの道もこの世界遺産に引けを取らないのではないかなと感じていました(http://magazineworld.jp/tarzan/michinoku-680/ )。決してホームシックではなかったのですが、何故でしょう。
Pisa,Perugia,Assisi,Florence,Bologna,Veniceと 日替わりで観光地を巡ったあとはVeniceから一挙に北上しレースの行われるCortina d'Ampezzo に向かいます。フランスでChamonixを目指し、スペインではAndorraやピレネー山脈を目指し、それぞれで山が見えてきたときの感動は今でも忘れません。しかし、今回のイタリアの山にはやられました。Cortina d'Ampezzoのある地域の山は、Dolomiti(ドロミテ)という名称で知られていますが、Dolomitiの山は、私がこれまで観てきたアメリカ西部のアリゾナ、コロラドやユタの山とヨーロッパのアルプスとピレネーの全ての景観を足し合わせた様な変化の激しく、印象に残る山容でした。もちろんCortina d'Ampezzoに落ち着いてからも連日、コースの一部になっているトレイルを歩きました。Lavaredoの500mを超す三つの尖塔のようなピークを仰ぎ見ながら周回するトレイルも歩きました。山の南側には厚い雲が必ずかかっています。Dolomiti山塊は海からの湿った風がまともにぶつかるところの様で、気象は安定していない印象がありました。

絶景が広がる3000mの標高です。30分ぐらい時間をかけてゴンドラで登りました。

Lavaredoを仰ぎ見ながら周回するコースです。

 

 さて、レース当日です。これまでになく雲一つない快晴でした。しかし日中でも気温は低めで、夕方からは天気予報通り雷鳴がとどろき、雹まで降り出しました。夜11時のスタートで、夜間に2000mを超す標高の地点に行くので雨具を持参する以外に、薄いウィンドシェル(http://www.aandfstore.com/store/commodity/0/19841504/ )を着用しようと思っていましたが、スタート前でも雨がぽつぽつ降っていたので、ウィンドシェルは66㎞地点に預ける荷物に入れ、半袖のシャツ(例のOutdoorReserchの襟付きシャツです!)にアームウォーマーでスタート地点に並びました。雨具(http://www.aandfstore.com/store/commodity/0/194955230/ )は、ザックの中にしまいこまずにザックの背中のネットにねじ込んで、雨が激しくなるか気温が下がったらすぐに着用できるようにしました(http://www.ultraspire.jp/product/#1 )。

 今回、レースで初めてUltraspireのルーメン600を着用しました(http://www.ultraspire.jp/product/#11 )。雨の日に使ってみたことが無かったので防水性に若干不安があったのですが、この日のようなミスティーな森でヘッドライトが全く機能しない経験をしたことがある私は、このベルトの位置から照らす強力な広角ライトが非常に心強く思えました。ヘッドライトから地面を照らすと視線の先にトンネルのような光の輪が見えて、長く見え続けるとストレスを感じます。ルーメン600ではそれが起きません。夜間にコースマーカーを探す際に、ヘッドライト着用の場合は必ず頭を振らないといけないのですが、ルーメン600ではその必要すらありません。2番目に強い光の設定で明るくなるまでの6時間の間、予備のバッテリーを使う必要もありませんでした。リチウムイオンバッテリーは一本50g近くの重さで若干重たいのですが、予備の一本を含めて約100gです。ベルトには予備のバッテリーやiPhone等を入れるポケットもあります。革新的なギアです。ルーメン600。15年以上トレイルランをやってきましたが、ギアの形状、スペックがここまで従来のものと違い、かつ優れているという経験は初めてでした。
 このレースの2か月前ぐらいからかなりトレーニングをしてきたことと、イタリアに来てからも連日動き回っていたせいか、スタート直後から疲労を感じ始め、2日目は日中の暑さで熱中症のような症状もありレースの内容は今一つでしたが、Lavaredo Ultra Trailはコース上の景観では、三ツ星のレースです。コースの設定も絶妙です。私ぐらいのランナーからギリギリ関門を突破できるぐらいのランナーまで、明るいうちに絶景ポイントを全て周れるコース設定になっていました。今回はフィニッシュ地点でかなりのランナーがフィニッシュする様子を見守りましたが、このレースの運営の中心だと思われる女性のフィニッシュラインでランナー達を迎える自信に満ちた表情からも良いレースだと感じました。

 お勧めです!北イタリア周遊の旅、そしてLavaredo Ultra Trail!

18時間40分でフィニッシュ。決してタイムには満足していませんが、素晴らしい景色が後を引くレースでした。

 朝日と共に現れたLavaredoの3つのピーク。右からCima Piccola(シーマピッコラ) / Kleine Zinne(クライネ・チンネ) ("little peak"), Cima Grande(シーマグランデ) / Große Zinne(グロッゼ・チンネ) ("big peak"), Cima Ovest(シーマオベスト) / Westliche Zinne(ヴェストリッヒ・チンネ) ("western peak").

レポーター紹介
 渡邊 千春
渡邊 千春

外資系企業で働きながらも、UTMBなど海外レースをはじめ数多くのトレイルレース、イベントで活躍中のビジネスマンランナー。親子でトレイルレースへの参加やアルプス山行などトレイルを楽しむ。