穴が空いたら新品交換! 生涯保証のアウトドアソックス「ダーンタフ」

穴が空いたら新品交換! 生涯保証のアウトドアソックス「ダーンタフ」

ソックスを作り続けて30年のダーンタフ

2代目であるマーク・キャボット(左)と3代目で現社長兼CEOのリック・キャボット。靴下製造のノウハウ、職人魂は、次世代へと受け継がれている。

アメリカ東部のヴァーモント州にて家族3世代に渡って、ソックスを作り続けて30年のダーンタフ(DARN TOUGH)。北米のアウトドアシーンでもっとも高いシェアを誇り、急成長を続けているアウトドアソックスブランドだ。 ブランド名を直訳すると「超・強い」。しかし、ただ強いだけじゃない。
ニュージーランド産の超極細メリノウールと化繊素材をカスタムブレンドし、独自開発の織り機で仕上げたタフさと快適さを追求した無二のソックスである。
7年前から輸入をはじめたA&Fの赤津孝夫会長は、ダーンタフとの出会いをこう振り返る。

「同じヴァーモント州に工場を構えるアイベックスというメリノウールウェアブランドがあるんですけど、そこのスタッフに『いいソックスがあるよ』って紹介されたのが、ダーンタフだったんです。当時はアメリカのアウトドアショップでさえも見ることは稀で、あんまり知られていないブランドでした。それもそのはず、もともとは自社ブランドを持っていないOEMの老舗ソックスメーカーだったんです。それから、自分でもダーンタフを買ってしばらく履いてみたら、すごくよかったんですよ」

ディストリビューターのトップが自らの肉体と時間を使って、ユーザーの気持ちになってモノの善し悪しを実体験する。そんな赤津会長が、ダーンタフを輸入しようと決断した背景には、彼ら独特のプロモーション戦略もあったという。

「ダーンタフの驚くべき点は、タフさと履き心地のほかにもうひとつありました。穴が開いたら新品と取り替えるという生涯保証です。靴下なんて履いていたら穴は開くだろう、穴が開いてあたり前ってみんな思っているじゃないですか。それを保証しちゃうんですから。日本人からしたらそれじゃ会社がもたないでしょって思うけど、彼らはそれが宣伝になるというんです。これは自分たちのものづくりにすごく自信を持っているからこそできることだと思います」

バーモント州ノースフィールドにある縫製工場。すべての製品がここでデザイン、テスト、生産され、出荷されていく。

さぞ、新品に交換する率は高いのだろうと思いきや、返品率はわずか0.07%だという。10,000足のうち7足しか返却されないとは、まさに“超・強い”ソックスである。
日本で展開をはじめた7年前というと「アウトドアの靴下といえばウールが一番だよね」という常識が広まってきたころ。ムレない、臭わない、履き心地がいいという理由から天然素材のウールが見直され、そうした風潮もダーンタフの日本進出に大きな追い風となった。

「アメリカ人って日本人みたいに靴を脱ぐ習慣がないので、靴下がひとつの大きなジャンルをなしています。常時身につけているものだから、アメリカ人はアジア製の安い靴下ってほとんど買わないんですね。値段が高くても品質のいい自国産に人気が集まる。アメリカには靴下を、足を大事にする文化があります。だからどんどんいいものが生まれてくるんです」

日本人ではじめてアメリカの3大ロングトレイルを歩いた舟田靖章という青年がいる。彼はこれまでアメリカのトレイルを計約12,200km歩いてきたが、履き心地がよく、長く履けて、足のトラブルが少ないという理由からダーンタフをチョイスしてきた。2011年に北米大陸東海岸を約4,700㎞歩いたときでも、計5足を履きつぶしただけだった。これはダーンタフが、タフでありながらも、ロングトレイルという生活のなかで足のトラブルをできるだけ軽減し、快適に足をサポートする高品質ソックスであることを日本の市場に証明した。
ちなみにいま舟田青年は、茨城県で有機農業を実践している一児の父。一年中、田畑でダーンタフを履いているという。

「普通の靴下で長靴を履いているとあっという間に穴が開いてしまうのですが、ダーンタフはやはり圧倒的に長もちします。農業にもダーンタフ!(笑)」

左から「ハイク/トレック」カテゴリーの「ハイカーブーツソックス・フルクッション」、「バイク」の「スターアンドストライプマイクロクルー・ウルトラライト」、「ライニング」の「ヴァーテックスノーショーダブウルトラライト」、「ライフスタイル」の「W’sファットウィッチクルー・ライトクッション」。

そしてダーンタフの特筆すべきもうひとつのセールスポイントは、8つのカテゴリーに細かく分けられていることだ。その8つとは、ライフスタイル、ハイク/トレック、スキー/ライド、エンデュランス、ランニング、バイク、ワーク、タクティカル。
ただただハード面を誇張するタフな強面ではない。適材適所に生地の厚さや伸縮率を変えたり、足裏アーチのサポート力を高めたりと、アクティビティーに合わせた細かい機能を30年間培ってきたソックスに落とし込んだ、マメで繊細な超・強者なのである。

(文=森山伸也 写真=A&F) 

*このページは、A kimama(www.a-kimama.com)にて、2018年に連載の「A&F ALL STORIES」を掲載しています。

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