2014.11.07

季節の移ろいを感じながら

渡邉 幸子

 

 季節の移ろいを感じながら。

春、夏が移り過ぎ、秋を迎えると、あちらこちらの山々から初冠雪のたよりを耳にするようになり少しずつ冬に近づくこの頃。山梨の甲斐で季節の移ろいを感じながら過ごしています。

日本には4つの季節があり、紅葉の季節になるとこの四季を愛でる歓びを以前より深く感じるようになりました。日本にいるとあたり前のようですが、こんなに美しい紅葉を見ることができるのは日本だけのように思えます。その季節の移ろいを山で感じることは何よりの幸せですね!


 今年は「いろんな山に登りたい。」という思いがあり横に広く各地の山々へ向かうことができました。ひとつひとつの山にそれぞれの魅力があり、季節によっての楽しみも加わり山登りの奥深さを感じることのできたこの一年。先日、旧友と共に東北の縦走に出かけたときは、本州の山とは相異なる広大さに魅了され、どこまでも続く縦走路から見えてきたものは、いくつもの深い谷とそこに点在する湿地や沼。「あの沢をつめて、この尾根に乗ってピークに立つことができるんだよ。」とまるで鳥の目線で山々を見渡しときに、違う山の楽しみが見えてきて、また東北の山に来たいなと思いながら山旅を楽しみました。


 以前からお会いしたいと思っていた往年の沢屋さんで東北の出身でもあるお方と偶然にも先日一緒に山に行く機会が舞い込み、いつになく心弾ませながらの山行中のこと。避難小屋で過ごした際のお話しがとても心に残っています。「人は何故、山に登るのか。」人それぞれ山に対する思いは違うものであって、すべての人に共通するものではないかも知れないのですが、「人の心は揺れうごくものであるのに対して、山はいつでもそこにあり身を構えているもの、山に登ることで自分と対峙することができる。」そんなお話しでした。
 それを聞いたときに私の心の中にスッと入りこんできたのを感じました。


 ここ数年一人で山に入ることも多くなり、そんなときに必ず行うこと、正確に言うと必然的にそうなるのですが、山を下るとき、いろいろなことを考えながら下りているのです。私はこの時間を「妄想の時間」と勝手に名づけていました。妄想というと聞こえが悪いので「創造の時間」のほうがいいかもですね(笑)


具体的に言うと、今後のことや将来どうなっていたいかと考えています。そう、それは私にとって「山に登ることで自分と対峙する」時間。揺れうごく心の振動をリズミカルに整えてくれる時間でもあり、これからの私を創っていく大切な時間でもあります。
 季節の移ろいのように、ゆっくりと移ろい自分の心も深まっていくような、そんな山登りをこれからも続けていきたいと思います。

レポーター紹介
渡邉 幸子
渡邉 幸子

日本山岳ガイド協会認定登山ガイド
八ヶ岳ガイド協会所属
八ヶ岳ガイド協会に所属し、登山、クライミング、雪山などを八ヶ岳や南アルプスをベースに活動。富士山や各地の山々をガイドするマウンテンガイドサービス「Happy's」を主宰。

マウンテンガイドサービス「Happy's」