山で感じる四季(初冬)
2018.01.25 上野朋子

山で感じる四季(初冬)

山で感じる四季(初冬)

トレイルランナー 上野朋子

信州各地での初雪の知らせが届き始めた11月初旬、空気が澄んで気持ちの良い青空が広がった。

まだまだ麓では紅葉の見ごろを迎えた時期でもあった。“これは!”と思い、このエリアに足を運んだ。

長野・群馬の県境に位置する、浅間山。国内でも有数の活火山である。

こちら(信州)に移ってからは、春、夏、秋とそれぞれの季節で訪れているが、登るたび、その時の天候、気温、さまざまな条件により見え方は違う。それでも、いつ見てもかっこよく、美しい、そして存在感のある山だなぁと感じる。

噴火警戒で立ち入り禁止区域があり、現在は山頂まで行くことはできないが、外輪山もまた同じように素晴らしいエリアだ。

標高約2500mの浅間山、そして黒斑山、蛇骨岳、仙人岳と、浅間山外輪山のエリアは美しい山々が連なっている。また、その展望が素晴らしく、天気が良ければアルプスの山々や、富士山も眺望できる。

この日、登山道をスタートするとすぐに足元は足首ほどの雪で覆われていた。気温が低いこともあり、所々で高さのある霜柱も見られた。

槍ヶ鞘のピークにつくと、初めて浅間山のその姿を眺めることができる。うっすらと白くなった姿はこの冬初めて見る。春から秋にかけてと、いつもは縦走しているコースではあるが、登山道の雪の量、凍結状況などを考え、その先に進むかどうかは慎重に検討した。

ちょうど休憩をとっていた登山者に状況を聞き、凍結はさほどではないこともわかり、先に進むことにした。

ここからは、稜線の美しさが感じられる場所だ。蛇骨岳、仙人岳と進む。足元の雪がサクサクと音を立てるくらいで、自分の息遣いがわかるほど、静かな場所だと改めて感じる。

「賽の河原」、このエリアを縦走する中でも私の好きな場所の1つだ。浅間山がすぐ近くに感じられ、すそ野の広さが間近に感じられる場所だ。「こんな岩が降ってきたらひとたまりもないな」と感じるような大きな岩がゴロゴロとあるのには驚く。特に、足元は火山の砂礫がみられ、活火山のエリアであることを実感する光景が広がっている、 

浅間山は、2014年に噴火し、今でも一部の区間で入山規制がかかっている。風向きによっては、今も水蒸気や噴煙が出ているのが遠くからでも見えるほどである。

この日は、うっすらと雪、見渡すと紅葉の名残が色づいており、

空の青色、雪の白色、カラマツの黄色と緑色がなんとも神秘的な色を作り出していた。

この日から、日々気温は下がっていった。また駆け回れるのは少し暖かくなってからだろうと思う。山で感じる四季、それは色であり、風であり、空気であり、足元の感触であり、たくさんある。同じ季節であっても、山に上がるたびにその感覚は毎回異なり、新鮮である。秋から冬に入る、わずかなタイミング。そんな「貴重な1日」をこのフィールドで過ごせた時間に感謝です。

さぁ、本格的な冬のシーズンが始まります。雪のフィールドでのアクティビティを楽しもう。

 

トレイルランナー

上野朋子

レポーター紹介
上野朋子
上野朋子

トレイルランナー
幼い頃から、家族の影響で登山・スキーなどのアウトドアに親しむ。中学・高校・大学はテニスに打ち込む日々。トレイルランニングには2009年頃に出会い、以降、レースにも参戦。同じころ、学生時代には一度離れたスキーを再開したこととも重なり、四季を通してその時々に合わせたフィールドで遊ぶ楽しみに惹かれる。現在も、冬場はスキーが中心。海外のレースへも挑戦し、初めて出会うトレイルを走る魅力、新しい土地での旅をしながら山を楽しむスタイルを追求している。
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